約1年前、自宅から離れたところにある畑の様子をモニターしたくて、室内用ペットカメラとモバイルルーター、そしてポータブル電源電の組み合わせで畑の監視システムを「一時的に」設置しました。
昼間の畑の様子は簡単に確認できたものの、屋内用ペットカメラでは夜間、畑の奥の様子まではわからず、夜行性の野生動物が活動する様子はとらえられず、猫がうろついていることが分かっただけでした。また、1~2日おきにバッテリー交換が必要で、1か月運用したところで、初回の運用は終了させました。
その後、反省点や不便な点を改善して、再度、畑にカメラ設置を行おうと思っていたものの、自宅近くの畑の雑草管理が大変になって、離れた畑まで手が回らず、計画は約1年間放置状態になっていました。
それでも、畑に設置するカメラの準備だけは進めており、1年目に使った室内用ペットカメラではなく、ソーラーパネル付き屋外用カメラに通信回線として携帯電話SIMを使えるタイプのものを Amazonで見つけ、購入していました。長期間使ってみないと結論は出せませんが、電源は太陽光、通信は携帯回線なので、頻繁にバッテリーを交換する必要がなくなる予定です。
購入したのは、ANRANというメーカーの、AR-W684 という以下のモデル。簡単に例えるとモバイルルーター内蔵の防犯カメラです。
【最新4G防犯カメラ・wifi不要・SIM/SDカード内蔵】ANRAN 4g 防犯カメラ 屋外 ソーラー 電池式 2k画素 監視カメラ 見守りカメラ 4Gカメラ LTE通信 wifiなし SIMカメラ 夜間カラー ワイヤレス 完全無線 電源不要 360°広角撮影 音光威嚇 警報通知 双方向通話 家族共有 音声付き録画 ワイヤレス 屋外使用農作物被害/不法投棄/駐車場/倉庫
22% オフ電源があるところに設置する防犯カメラと違い、高額。100MB のパケット容量がチャージされている4G SIMと32GB マイクロSDがが最初から入っていることもあって、本体価格が、高~い。
格安SIMも使えるという情報がANRANのサイトから読み取れたため、カメラを購入することに決めました。
こういう中国製防犯カメラの欠点は、実際に使いたい場所に設置して、動かしてみないと使い心地と設定可能項目がよくわからないってこと。情報が少なすぎるわけ。その分安いと思えば我慢できますが、結局使い物にならないってモデルもあります。この商品に不満を持っても他社モデルも似たようなものなので、思い切って買ってみるしかない。
昨年、2024年11月末に上記商品が届き、初期設定だけして眠らせていましたが、今年、2025年5月から設置に向けていろいろ作業を進め、設置に必要な金具とか木材を調達が完了した 2025/06/01 ようやく設置できました。
カメラの準備だけは出来ていたものの、数か月以上放置せざるを得なかった畑は雑草と竹でひどい状況になってしまいました。畑に至る地元道も雑草ボウボウ。4月頃からちょっとずつ作業を進めて、6月になった日、ようやくカメラの設置作業に入ることが出来ました。
下図が、ANRAN SIM内蔵監視カメラ AR-W684 のパーツ。左がカメラ、右がソーラーパネルとステイ。ケーブルはUSB Type-C で防水コネクタ仕様になっています。
畑の作業小屋の屋根の梁木材に、取付金具を固定し、底から梁を延長する形で延し、カメラとソーラーパネルを取り付けました。どこにどうやって取り付けるかが一番頭を悩ませた点。ちゃんとした建物じゃないので、適当な金具が見つからず、結局、建築の足場を組む金具を使ってしのぎました。
カメラ運営にはこの位置しかないので、苦労して取り付けましたが、問題は、こちらのサイドが西側だってこと。
太陽光が無い夜間は、バッテリーで動作し、朝になって太陽が昇ってくるとソーラーパネルで発電してバッテリーにチャージ。日暮れまでにフルチャージできればいいという仕様なので、できれば日が登ってすぐにチャージを開始したい。しかし、作業小屋東側にはスペースが無いし、朝は樹木で日陰になる位置なので、南→西 に太陽が回る時にチャージするしかない。今は夏だからいいけど、冬場になって太陽行動が下がってくると、15時くらいまでしか日が差さない日が続くので、バッテリーが特に心配だな~と思いながら、とりあえずソーラーパネルを寝かせた状態で固定してみました。本当は、カメラは軒下、ソーラーパネルは屋根の上に出したいのですけど(この点を一番悩んだ)、妥協してとりあえず上図のようになりました。問題が判明すれば別の場所に動かしましょ って。
本当は、電源ケーブルを小屋の中に入れ、電源ソースをポータブル電源とソーラーパネルで切り替えられるようにしたかったのですけど、カメラ本体側の電源コードが短くて、とりあえずはソーラーパネルとだけ接続できるようにしました。
これが、昨日夕方の話。その場で簡単な動作確認だけして、スマートフォンで映像チェックできることだけ確認して、自宅に戻りました。
余談ですけど、このカメラ映像をアウトドアで確認するのは通信パケット的に最悪。カメラはSIMを使って携帯回線で通信。さらにスマートフォンも携帯回線で同容量の画像を受信するわけで、パケット量が2倍かかります。上りも下りもパケットカウントされるってこと。
以下が、カメラで撮影した映像。
設置直後に撮影したもの、自宅から夜の映像を撮ったもの、実際に人物検出した映像の3つを貼り付けました。
2025/06/18 追加:深夜、動物を検知
取り付けが終わって一日使ってみたので、カメラの仕様や設定、そして運用してみてわかるパケット使用量や運用上の課題に書いてメモを残します。
- 通信アプリ:AndroidはPlayストアから「ANRAN」というアプリケーションをダウンロードして、メールアドレスでアカウントを作っておく必要があります。
- カメラの通信仕様:通信回線として携帯電話回線を使用するということはわかっていましたけど、初期設定はWiFiで行い、WiFi電波がない時に携帯回線に切り替わるのだろうと思っていました。有線LANと無線LAN両方が付いている防犯カメラは多いので、有線回線が携帯回線に相当するんだろうな~って。
全く間違っていました。携帯電話回線のみでした。ということは、SIMをアクティブにできないと何にもできない。私は、自分が契約しているOCNモバイルOne のSIMを使う予定でいたんですが、APN設定画面が公開されていないため、カメラがサポートしていないプロバイダーのAPNは設定できない!2025/06/21追記:よくよくスマートフォンのアプリを見てみると、APN設定する画面がありました。なので、OCNモバイルOne SIMを使えそうです。後日運用中のカメラを回収し試してみようと思っているところです。
- povo2.0 SIMが使える!:付属SIMでカメラのモード設定をした後、動作確認できるだけの設定を行った後、OCNモバイルOne 旧コースのSIMに差し替えてみました。何分待っても認識されない。通信用のLEDは縁に近いところ(左上)についているもの。青で接続完了。(中央LEDは電源状態。)
その他、旅行者用のプリペイドSIMとかSIMトレーに入れてみましたけど、駄目。一体どこのSIMならいいのか?と povo2.0 のSIMを入れてみました。OCNモバイルOne 同様に最初は通信LEDが点滅するだけで青にならなかったのでダメかと思っていたら、1分程度で青色LED点灯。
povo2.0 SIMが使えたことは私にとってはありがたい。OCNモバイルOne SIMが使えなかったのは残念。新コースだったら使えたのかな~?しかし、もう買えないからやむ無し。 - 検知、録画、通知:povo SIM が使えるようになったことからとっても気が楽になりました。povo2.0 は180円で2時間パケット使い放題トッピングがあるので、設定作業が長引くなら、こういうトッピングを買えばWiFi感覚で使えます。問題はバッテリー残量ですが、まずは、設定を終わらせるのが最優先。
設定画面をいろいろ見てみましたけど、このモデル、ほとんどデフォルトで使えるし、カスタマイズできるほどの項目がない。単純に、カメラの視界に動体が入ったら、人物かどうかを区別して、録画をするだけのよう。感度調整が出来るようになっていますが、最初は初期値で試すしかない。イベントが少ないので、今のところデフォルト値で使うことになります。 - 機能:前の項目に、カスタマイズできる項目が少ないと書きましたけど、PTZボタンはあるのにズームは効かない。首振りだけのようです。
位置プリセット機能がない。デフォルトの監視位置を記憶できないので、首振りすると毎回手作業で戻さないといけない。
対象物追跡機能がない。対象が画面から出そうになっても首振りしないので、追跡機能は設定も機能も付いていないと思われます。
オートクルーズ:一定時間ごとにプリセット位置か、フルレンジ首を振ってクルーズする機能は無い。 - 検知性能:人がレンズの前を通過すれば記録しますが、記録時間は電力節約モードで10秒。これは短い。パフォーマンスモードというのが付いているので、今は、これに設定しているところで、恐らくもっと長い時間対象物を録画するのだと思いますけど、次の侵入者か動物が現れるまで評価できません。
- 解像度:SD、QHD、オートの3つ。オートは、自動で解像度を切り替えるものと思いますが、SDモードだと、通信速度は 20kB/sec 程度。QHDにすると、100kB/sec 前後になります。
- 消費パケット容量:通常人がいない畑を監視するわけですが、今回、初めて設置して使い方を練習しているような状況で、1日で300MB程度。もし、通知が発生した時だけカメラを見に行くような使い方をすると、一日当たり100MBも使わないんじゃないかと思うくらい、パケットは抑制されています。
ただし、録画映像を全部確認する場合は、動画ファイルの転送になりますので、動画サイズと同じサイズのパケットを消費することになると思います。(やってないから正確にはわからないですが。) - ソーラー充電:昨日カメラを設置した時は、西側にしかパネルを取り付けられないから、充電がとっても不安だったのですが、一日モニターしたところ、杞憂だったと判明。今日は、早朝ちょっと晴れたものの、その後ずーと曇り空。ところが、アプリの中にある電気使用量統計を見てみると、順調に充電していて、午後には100% になっていました。ソーラーパネルの取付角度が気になっていましたけど、これなら冬場でも充電できるんじゃない?(低温によるバッテリー性能低下は発生するかもしれませんけど。)通信電波の方はアンテナがどこにあるのかわかりませんけど、すごく良い状態。
ANRAN防犯カメラに限らず安価で販売されている防犯カメラのメーカーは、ハードウェアを安く売り、有料のサーバにファイルを保存させることと、通信パケットで利益を出そうとしているようで、クラウド録画しろとか、サポートされているSIMを使えとか、いろいろうるさいですが、すべて無視。月間3GBくらいの通信容量に抑えられれば、月額1000円くらいで監視カメラを運用できることになるので、カメラは高かったけど、コストパフォーマンスが良い運用ができることを期待しながら、調整をしています。
では、ANRANの付属SIMを使って、クラウド保存にするとどれくらいコストが掛かるか?この情報が、購入時にわからないのが、消費者を不安にさせるところ。
2025/06/02時点の料金情報が、以下、画面のスクリーンショット。
月額イベントクラウドストレージ(おそらく、録画対象物が視野に入った時だけ録画するプラン)が、月額895円。
これが年額になるとちょっと割引されて8962円。以上は、映像保存スペースだけ。
通信プランは、月額10ドルで、上記クラウド保存とセットで購入すると、月額約18ドル。
我が家の畑のように、滅多に人が立ち入らず、録画が発生しない場所の監視に使う場合に、利用したいと思うような価格設定じゃない。逆に繁華街のような場所に取り付けて、映像利用者がたくさんいるカメラなら、コストは安いでしょう。用途次第と思います。画面上部に「200g」って数値が見えるけど、200GBの意味?200GBが10ドルなら安いでしょう。
金額に関して以上ですが、問題は支払方法。中国と関係ある会社の支払いにクレジットカードなんて絶対に使いたくないわけです。メニューを先に進めて確認してみたところ、Google Pay、PayPal、クレジットカードが使えて、デフォルトはPayPal。支払うなら、プリペイドで済まされるGoogle Pay を使うのが安全ぽい。
まとめ
まだ取り付け二日目なので結論には程遠い状況ですが、現時点のANRANソーラー防犯カメラの感想は、
- 設定は簡単だが、設定可能な項目は少なめ。
- 曇り空でも十分な電力を補充できる高性能電力システム内蔵。
- 畑に設置するようなケースでパケット使用量は少なめ。
もうちょっと、検知機能や通知機能、カメラ単体で行えることが多い方がいいとは思いますが、電源がない畑をモニターしたいようなケースで選択するモデルとして、悪くないと感じました。
2026/06/18 追記
スマートフォンにカメラからのアラート着信があり、見てみたら、、、、牡鹿 でした。鹿はダニを持っているから畑に出てきてほしくない動物。
残念ながら AR-W684 にはターゲット追跡機能が無いので、手動で追跡しましたが、リモートでの追跡は操作と画面に遅延が発生するから難しい。特に録画中は。