本日、近所の医院に出かけたのですが、昨日、医院が臨時休診だったため、本日の受診者が多いこと多いこと。午前中に訪問すれば、平日なら10時過ぎれば待合室は空席だらけになるのに、今日は全然減らない。
田舎の医院なので、基本的に受診者は老人だらけ。ふと受付方向に目をやると、驚いたことに、どう見ても70歳以上と思える人が、マイナ健康保険証を使おうとしていました。「ほ~、あの人、マイナンバーカードを健康保険証として登録したんだ~」って思ったら、予想通り、本人確認でトラブっていました。
私は、紙の健康保険証を持って行ったので、診察受付は従来通り。
その老婦人は、まず、暗証番号を入力ミス。タイプミスなのか番号忘れなのかは、遠目にはわからない。そのうち、見かねた看護婦さんが出てきて、顔認証を推奨。
今度は、画像認識範囲に顔を合わせられずに認証タイムアウト。また最初から。
読み取り機の性能もあるでしょうが、認証機器の使い勝手も悪そう。そのうち、受付に待ち行列が出来始めました。
結局、5分くらい掛かって、健康保険証の確認が完了。見ていてイライラしました。
と、思っていたら、またマイナ健康保険証にチャレンジする人が受付に。。。。。
今度は、暗証番号入力が一定回数を越えて、ロックされてしまったらしい。カードがロックされたのか、読み取り機がロックされたのかは遠目にはわからない。看護婦さんが機器を再起動したらしい事が聞こえました。そして、また顔認証に切り替えて認証をパス。こちらの人も5分程度かかって、受付に行列が出来始めました。
昨年、紙の健康保険証廃止のニュースを見た時に、こういう状況は簡単に予想できたわけで、実際に予想通りの現象が発生しています。
マイナ健康保険証自体はいい制度だと思いますが、従来通りの紙の健康保険証を廃止するというのは現場事情を知らない役人、議員の愚策としか言いようがない!
紙の健康保険証廃止で、役所の職員は発行業務負担が減るかもしれないけど、病院受付窓口と受診者の負担は確実に増える。
暗証番号だらげの現在、カードそれぞれの暗証番号なんて、利用頻度が低いカードなんかは、たまに忘れてしまっても不思議じゃない。マイナ健康保険証を使いたくない世代の国民は、段々と減ってゆくんだから、自然消滅するのを待てばよかったんですよ。暗証番号を間違えてロックが掛かると、確か、市役所に行かないと解除できなかったと思いますが、歳をとると認知機能低下、記憶の混濁、身体機能低下などで事務手続きを一人では出来なくなる人が一定確率発生することが確実で、こういう人たちをどう救済するのか、行政はプランを持っているのだろうか?と、過去、疑問を持ったことを、本日、老人がマイナ健康保険証を使うシーンを見て、思い出しました。
自分の親が、マイナ健康保険証を持った場合、暗証番号管理は誰がするのか?そして、認証機器に表示される無機質な「承諾」ボタンの使い勝手も最悪。と怒りを覚えました。(「いいえ」を選択すると、診療を受けられないことになるんじゃなかったっけ?使ったことない見聞ですが。)
診察が終わり、院外薬局に行くと、そこでもまた、老人の方がマイナ健康保険証で認証をしていました。
暗証番号が何か入力ミスされたようで、薬剤師さんが顔認証を進めていましたけど、利用者は「私は暗証番号しか登録していないから」と暗証番号にこだわっていました。2回目でパスしたようですけど、「マイナンバーカードの顔写真とあんたの顔を比べるんだよ!」と言いたかった。黙ってましたけどね。そのご婦人の夫は体調が悪いらしく、本人が薬局に来られない時は、代わりに夫のカードの暗証番号を入力しなければならないからって、暗証番号にこだわっていたようです。(その時は本人分だったようですけど。)
確かにそうだな~。本人が、車いすやタンカで運び込まれたら、顔認証や暗証番号なんて入力できないわけで、配偶者が暗証番号を知っていたら認証できるけど、完全に一人だったらどうしようもない。奥さんが運転できない旦那さんを車に乗せて病院に運ぶようなケースもそう。紙の健康保険証の場合、身につけていれば何とかなりそうなんですが、マイナンバーカードだと本人に意識が無いとどうしようもない。行政は、こういうケースをどう考えているでしょう?まさか、全額自費負担させればいいと思っているのか?マイナ健康保険証を持っていようと持っていなかろうと、被保険者であることには変わりませんからね。即、証明できないだけ。
偶然、老人がマイナンバーカード読み取り機を使っているシーンを連続3回も見かけてしまって、行政の愚策を実感したのでメモしてみました。