iMac G3 : メンテナンス、DVDが出てこない!

iMac G3 DV モデルのメンテナンスを行いました。
DVDドライブに入れたインストールCDが出てこなくなったためです。

iMacは、ルビー色の iMac G3 スロットローデンングタイプのDVDが付いたモデル。このiMac は音がいいんですよ。排気ファンが付いていないため、ノイズ源はHDDだけ。iTunes専用マシンでジュークボックスとして使えるので現役で使い続けられます。操作は、Apple Remoteで行えばいい。

iMac G3 DV

iMac G3 DV

Appleの製品は、新品購入直後に使い始める分には一時的な満足感がありますが、ほんの数年が経過し、メインストリームから外れてしまうと最悪の製品になります。

なぜかって?

理由は、メンテナンスしにくいから。発売から10年以上経過してサポート期間が終了した後に壊れると、どんなに重要なマシンであろうとAppleは何もしてくれない。

使い続けるならユーザーがメンテナンスしなくてはなりませんが、その時は交換パーツ調達から、筐体を開いてのパーツ交換も全部自分で行う必要があります。それが出来ないなら、新しいものを買うしかないのですが、今、iMac DVを代替できるパソコンって存在しませんし、最新iMacなんて使いたくない。

その iMac に入れたCDが出てこない。。。。。。
iMac DV のスロットローデンング光学ドライブに、CDを入れたところ、キーボードのEject ボタンを押してもメディアが排出されない状態になってしまいました。トレー式なら取り出し用の針金を差せるのですが、スロットローデンングは取り出し用の穴は付いていない!
CDの内容は、ディスクユーティリティを使えば吸い出せたので、別のPCでCDRに焼けばメディアの内容は失われないわけですが、ドライブがメディアをくわえたままでは何かと都合が悪い。

やむを得ず、iMacを分解して、取り出すことにしました。はぁ~。

Appleの製品は、基本的にクローズド思想で設計されているため、開けにくい!
一応、ユーザーによるメンテナンスは可能ですが、特別なツールが必要だったり、両面テープ固定だったり。
数年落ちの機器ならまだ何とかなるものの、今回の iMac G3 DV モデルは、確か20年以上経過しているはず。

2002年頃、初代iMacの故障したHDDを交換する作業を行ったことがあるのですが、底面を開けにくかったことだけ覚えていました。ただ、底面を開いてしまえば、プラスドライバーだけで作業できるので、iMacDVの難易度が高い部分は開けるところだけ。この記憶とWeb検索で探した iMac HDD交換記事を探して筐体を開くことが出来ました。

開け方は、底面のプラスネジを6か所外して、引っ張るだけ。
前面に引っかかりがあるので、ここをうまく処理することが重要なのですが、なにせ20年経過したプラスチックですから、ちょっと力をくわえると、バキッと音がします。外れた音か、折れた音かよくわかりませんでしたが、プラスチックが割れてました。でも、最終的にはネジで固定するので実使用上の問題は無し。

もともと、iMacを移動させると、なかでプラスチックの欠片が踊っているような音がしていますし、他の位置のプラスチックも経年劣化し始めているようです。

iMac底板を外したところ。

iMac底板

ということで、iMacを開くことが出来ました。
次に、Mac内部をシールドしている、金網パーツを取り外し、HDDとDVDドライブが取り付けられているマウンターを外します。

そのためには、メモリスロットのメモリモジュールを取り外し、IDEケーブルをドライブ、基板、両方から取り外します。前面スピーカー横に、2×2の計4個のネジでドライブベイが固定されているので、これを取り外し。

iMac G3 DV ドライブベイ

ここまでくれば、あとはPCのドライブ作業と同じ。ベイから光学ドライブを取り外し、精密ドライバーでDVDドライブを開けてみると、、、、、

フロントローディング DVDの内蔵ベルトが切れていた。

ドライブベルトが切れていました。が~~ん。
グリースが固くなっているだけだと思っていたので、予想外の結果。

DVDドライブは、MATSUSHITA SR-8184 というもの。今でも中古の互換ドライブは調達可能なものの、価格が数千円。
仮に、iMac DVの市場価値を1万円と見積もるなら、その半分以上のコストをかけてドライブ交換すべき?

とりあえず、メディアだけドライブから取り出し、ドライブはそのまま元に戻して、iMacを閉じました。当然DVDドライブは使えない状態。

切れていたベルトは普通の輪ゴムでも代替できそうなのですけど、輪ゴムの欠点は1年程度で劣化すること。Amazonで「CD 修理 ベルト」という感じで、いろいろ検索してみたところ、こういった故障に対する修理需要はあるようで修理用のゴムベルトが売られているのを発見。
価格は、300円程度から1500円くらいまでいろいろで、それは送料をどう扱うか、誰が発送するかの違いで、ベルト自体は500円程度のようです。

とりあえず、自分でベルトを交換してみて、その結果を見て別のベルトを購入しようと考えて、安いものを注文しました。送料と合わせて400円程度。普通郵便で本日到着しました。大型連休と重なったため、配達が遅くなったようです。
到着したものは以下のような感じ。

CDドライブ修理用角ベルト

複数の長さのものがセットになっていて、適当なものを選んで使うというやり方。

破損したものは、折り曲げ長さが10cm、太さが1.5mm くらいだったので、延びることと、スリップすることを考えて、8cmくらいのものを使ったら、スリップしているのか動かなかった。。。。。
そもそも、ベルトの太さが明らかに違う。購入したものは、1mm ~ 1.1mm くらいで、破損したものは 1.5mmくらいあるようです。延びるともうちょっと細くなるのかもしれませんが、ローラーとの接地面積が異なります。違うタイプのものを購入してしまったようです。(こうなるから、最初は安価なもので様子見をしたわけですが。)

もうちょっと短いベルト(多分7cmくらい)に交換して試したところ、今度はCDを入れたり出したりすることに成功しました。

その時のドライブの状態が以下の写真。

SR-8184のゴムベルトを交換。

写真を見てわかる通り、明らかにベルトの太さが違い不適合。今度動かなくなった時に、ちゃんとした太さのものに交換したいところですが、1.5mm x 8cmくらいのゴムベルトが見つかるかどうかが課題。

でもまあ、とりあえずインストールメディアの出し入れができるようになりました。これでやろうと思えばOSのアップグレードも可能。(今、MacOS パンサーですから。)

CDメディア取り出しとベルト交換にかかった費用が400円くらいなので、金額のダメージは小さい。しかし、約4時間の作業が2日必要で、約8時間の作業となりました。修理屋さんに依頼していたら2万円くらい取られても文句を言えない作業時間。

そうそう、バックアップ電池も空っぽになっていたので、新しいものと交換。故障とは関係ないものの、こっちは2,000円くらいと高かった。LANに接続して電源を落とさなければ、時間はネットワークタイムサーバーから持ってくるので、バックアップ電池が空でも問題ないのですけどね。

応急処置ですが、iMac G3 DVモデルの修理完了!

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