タイトルは「Ryzen 3700X + GIGABYTE X570 AORUS ELITE」としましたが、私のハードウェアではありません。友人が、これまで使っていたPCハードウェアをRyzen 3000 シリーズ CPUと対応するものにアップグレードしたと、メールしてきました。
省電力系のCPUばかり使っている私とは対照に、パワー系のCPUの話は新鮮。このCPU発売されたばかり?
転載許可をもらいましたので、以下に公開します。
7/7 19:00にRyzen 3000シリーズCPUを買ってきました。 M/Bごと入れ替えの、大幅なアップグレードとなりました。 購入したのは以下です。 CPU: Ryzen 3700X (8core/16thread) M/B: GIGABYTE X570 AORUS ELITE Memory: Crucial DDR4 PC4-25600 8GBx2 合計、75000円かかりました。 OS(SSD)は全く手を付けませんでした。 本日発売のX570はATXしかありませんでした。(Z77はMicroATXもあったのに...) まあ、ケースはATXも入るので、何も問題はありません。 当初はPCI Express 4.0は不要と考えていたので、安い(8000-10000円の)B450の MicroATXを買おうかと思っていたのですが、X570で20000円のM/Bがあったので、 これにしました。 B450のと比べると以下のメリットがあります。 PCI Express 4.0対応 (まだ何もデバイスを買っていません将来SSD買うかも) メモリがPC4-3200がO.C.対応(1.35V)ではなく、native対応(1.2V) M.2スロットが2つ (B450は多くが1スロット) まあ、これぐらいのメリットで、2.5倍の値段が高いかどうかは、 PCI Express 4.0 SSDが威力を発揮するかどうかぐらいですね。 VideoはGTX1060(6GB)を使いまわします。 さて、P8-Z77M(MicroATX)とcore i5 3570Kを外して、新しいM/B(ATX)を 取り付けました。 PS/2ポートがありませんでした。 まあ、かなり前からUSBの無線キーボードと無線マウスだったので、 別に困ることはありません。 外したケーブル類を新しいM/Bにつないでいきました。 最後にGTX1060をPCI Expressスロットに挿すと、なんとM/Bのchipset ヒートシンクと干渉して奥までカードが刺さらず、ラッチがかかりません。 微妙に浮いているだけなので、そのままでも正常動作するかもしれないと 思われるぐらいでしたが、これでM/BやGTX1060を壊してはもったいないので、 このM/Bに刺さるvideoを明日買いに行こうかと思いましたが、その前に もう一度干渉している部分をよく見てみることにしました。 当たっている部分はPCI Expressのスロットの延長線上の後ろの部分の カードで、その直下にあるヒートシンクの上部分に当たっています。 このM/Bにはもう一つPCI Express 4.0 x16のスロットがありますが、 そこも同様にM/Bのchipsetにヒートシンクがあります。 そこで、ビデオカードを抜いてみると、ヒートシンクにギザギザの跡がついています。 なんだ、このギザギザは? ビデオカードを下から見ると、なんとPCBの切り取り跡のバリが0.5mmほどありました。 この周りは特に部品も配線も見当たらなかったので、ヤスリで削ることにしました。 3分も削っているとバリは完全になくなりました。 気を取り直して再度M/Bに入れると、今度はなんとかラッチがかかりました。 危なくRX5700を買うところでした。 さて、電源ケーブルを初め、全ての外部ケーブルをつないで、起動しましたが、 画面が全く映りません。 つないだ表示デバイスはGTX1060のDPに4Kモニタ、GTX1060のHDMIにFHD TVです。 私のGTX1060は起動時にはBIOS画面はHDMIにデバイスが繋がっていると そこにしか出力しないと聞いていたので、HDMIを外して、DPのみで起動したら 4KモニタにBIOS画面が映りました。 BIOS画面を確認するとOSのSSDやデータのHDDの順番も含めて何も問題は なさそうなので、OSを起動しました。 windows 10はM/BとCPUが入れ替わっても、何も問題なく自動でドライバを 読み込んで、立ち上がりました。 素晴らしい、こんなのは初めてです。 システムが変わったので、OSのactivationは必要でしたが、事前にMSに 聞いた話ではwin 8 proのproduct keyを入れればライセンス認証は 通るという事だったので、win 8 proのproduct keyを入れたら 認証が無事通りました。 さらにoffice 2010の認証も聞かれましたが、単に"OK"だか"次へ"だかで 認証が通りました。 結局、今回はOSや、ソフトにかかわる問題は何も起きませんでした。 唯一の問題はvideo cardとM/Bのヒートシンクの干渉をヤスリで回避した ぐらいです。 OSはまだSATA3のSSDなので、550MB/sの転送レートです。 PCI Express 3.0の3GB/sかPCI Express 4.0の5GB/sにすれば もっと速くなりますが、今日はここまで十分です。 早速、性能向上を図るためにビデオエンコードの時間を測ってみました。 以前に編集した4Kカメラx2の映像を使って、FHDのファイルを出力する プロジェクトがありましたので、これを全く同じ出力するのにかかる 時間を測りました。 3570K+GTX1060で73分だったのが、3700X+GTX1060で33分でした。 どうもCPUを100%使っていません、多くは50%、たまに25%や80%になります。 GPUは常時22-25%でした。 メモリは5GB/16GBで余っています。 HDDは使用率10%、転送レート10MB/sでした。 そこで、HWエンコードオプションをやめ、全てCPUエンコードに変えたら、 35分となり、遅くなりました。 CPU使用率は多くで75%でした。たまに35%や50%、一瞬だけ100%となりました。 GTX1060なら3700X比ではプラスの効果があるようです。 入力ファイルと出力ファイルを同一HDD上にしているからここがボトルネックに なっているかもしれないと思って、出力ファイルをSSDにしましたが、 全く速くなりません。 何がボトルネックなのか、わかりません。 考えられるのは以下です。 1. HDDの読み込み速度不足 2. メモリの速度不足 3. メモリの容量不足 4. CPUのsingle thread 性能不足 5. エンコードエンジンの最適化不足 1.はソースをSSDに移して試せばわかります。 2.はメモリをOver Clockしない限り試せません。 3.は追加のメモリを買えば試せますが、4スロットになると速度が落ちるので、 そこがトレードオフになると時間短縮にならないかもしれません。 4.はCPU電圧を多少上げれば試せますが、あまりやりたくありません。 5.はアプリのバージョンを上げないと試せません。 今年の秋に新しいバージョンが出るので、それで試すというのは可能です。 よって、現時点では1.しか選択肢がありません。 まあ、以前と比べると所要時間は45%、速度比では2.2倍なので、満足しています。
追記1
友人から続きのレポートをもらいました。
新しいボードとRyzen 3700Xの組み合わせがファームウェアアップデートで安定したそうです。
最近、メモリが底値とのうわさを聞いたので、急遽1TB SSDを購入しました。 PCI Express 4.0のは高いので、3.0のを買いました。 トランセンドの TS1TMTE220S です。 4.0のが30000円ぐらいすることを思うと¥15000と半額です。 性能は3400MB/sぐらいですので、5000MB/sの70%ぐらいです。 入れ替えの際はUSBブートのHDDコピーツールで512GB SSDから1TB SDに コピーしました。 しかし、ソースディスクのセクタ5が読めないというエラーが出ました... リトライしても解決しなかったので、とりあえず、スキップしてコピーを 完了させました。 起動ディスクに設定して起動させると、なんの問題もなく立ち上がりました。 念の為、OSでドライブのチェックもしましたが、エラーはありませんでした。 SSDにグリスを塗ってヒートシンクを付けたので、温度は低いです。 SATA3 SSDとの速度差は感じません... SSDがボトルネックになっていないのでしょう。 大半の作業ではCPUのシングルスレッド能力がボトルネックのようです。 安定性の方はBIOSをF3からF4gに上げてからは一度もブルースクリーンが 出ていません。CPUクロックが不要に高く、ファンがうるさめですが、 ブルースクリーンよりはマシなので、このまま使用します。
追記2
メモリ仕様に関しての追記です。
今回、初めて発売されたnative DDR4-3200(1.2V)のメモリ、 Crucial CT2K8G4DFS832Aを使っています。 それまではDDR4-3200はO.C.前提の1.35Vの物しかありませんでした。 X570で初めてnative DDR4-3200に対応しました。 このnative DDR4-3200対応が不十分だったのがF3で、完全に対応したのが F4gではないかと思われます。 X570は3つの最先端技術が詰め込まれています。 1. RYZEN 3000シリーズ対応 2. PCI Express 4.0対応 3. Native DDR4-3200対応 どれも初物なのでヤバそうではありますが、私は1.と3.に手を出しました。 巷では1.と2.が多く取り上げられていますが、3.はあまり耳にしません。 シングルランクメモリ、デュアルチャネル、チャネル当たり1枚の 最高速構成ですが、1.2V動作が安定しませんでした。
追記 3(2019/05/10)
追記1 で、「CPUクロックが不要に高く、ファンがうるさめ」という記述がありましたが、解決したそうです。
ドライバーとファームウェアのどちらか(またはどちらにも)不具合があり、最新に更新することで、CPUクロックが下がり、ファンが静かになるそうです。
以前、うちのryzenが不要に高クロックだという話をしましたが、 その原因と対策が判明しました。 https://g-pc.info/archives/11322/ GIGAGYTEもAGESA1.0.0.3ABBのBIOS(F4j)をリリースしたので、 本日インストールしたところ、CPUクロックは下がって、ファンも 静かになりました。 https://www.gigabyte.com/jp/Motherboard/X570-AORUS-ELITE-rev-10/support#support-dl-bios これでかなりいい感じになりました。
確認したところ、ファームウェアの更新だけで、静かになったそうです。