PCX150で低燃費を実現できず、このメモにたどり着いた人のためにメモを残すことにします。
私がPCXからPCX150へ乗り替えて2年。通勤のために平日はほぼ毎日運転してきました。
燃料代が自腹なら、毎日使う通勤用バイクの最優先事項は低燃費であることとなります。
また、ガソリン1Lを燃やすと約2.3kgの二酸化炭素(CO2)を作り出し、これが温暖化を加速させています。2018年7月豪雨をもたらした原因の一部は自分の運転によるCO2排出でもあるということです。CO2を排出するならその量を最小にしたいものです。
私はみんカラを使って燃費管理を行っていますが、2年間記録を入力し続けるとPCX150をどう運転すれば、低燃費を実現できるかわかってきます。
ガソリン代が1Lあたり140円を超える現在、財布の事情からも出来るだけコストパフォーマンスの良い走らせ方を行いたいものです。
PCX150を平均燃費55km/L以上で維持する
残念な事実ですが、忍耐力がない人、渋滞する道路を走らざるを得ない人、頭が悪い人には低燃費実現は無理。
PCX150に搭載されているeSPエンジンは燃費がよいエンジンではありますが、どんな走らせ方をしても燃費が良い訳じゃありません。低燃費で走る条件と排気量相応の燃費条件があります。特にマニュアルに書かれている訳ではなく、ホンダのホームページからeSPエンジンに関する文献を読むことによって理解できます。
https://www.honda.co.jp/tech/motor/esp/
eSPエンジンは燃費が良いエンジンだからと、何も考えずにアクセルを開けていたら50km/Lあたりが最高でしょう。これを越えるには、頭を使うこと、忍耐力が必要になります。
PCX150で低燃費を実現させるには、エンジン車全般に共通な低燃費実現方法とPCX150の特性に合わせた低燃費実現要素の両方が必要になります。
エンジン車は、燃料を燃やして、その一部を動力として使う事が出来ます。変換効率はわずか20数%程度。残りは最終的に熱となって失われます。
せっかくガソリンから取り出した動力として利用されるエネルギーは前進中も
- 空気抵抗で65%(速度の2乗に比例して抵抗が大きくなる)
- エンジン内の摩擦で15%
- タイヤの摩擦で20%
失います。
ブレーキを掛けると、せっかく取り出した前進エネルギーを、再び熱に変換して失います。
最も燃費がよい状態とは、空気抵抗が小さく、エンジン効率が高い回転数の両方を満足する速度で、ブレーキを掛けずに走り続ける時です。一般道ではこのような条件はあり得ませんが、この状態のどれだけ近づけることができるか という事がPCX150を低燃費で走らせる鍵になります。メーカーの燃費データは、60km/h での走行ですが、60km/h が最も燃費が良い速度ではありません。
もっと燃料効率の良い速度で走らせればカタログに書かれた燃費データを軽く上回ることが出来ます。
具体的にどうやって理想の走行に近づけるか?
- メーターを平均燃費表示に切り替える
- アイドリングストップを使う
- 急加速を避ける
- 追い越しをしない
- 車間距離を十分に取る
- 一定の回転数で走らせる(制限速度で走るのが理想)
- 前に割り込まれても気にしない
- できるだけブレーキを掛けない
- 可能な限り50km/h以下で走らせる
- 路面が濡れている時は、60km/h以下で走らせる(濡れた路面はタイヤが水を巻き込み抵抗が増えます)
もっと具体的に書くと、
「車間距離を取って、制限速度で走らせる」ってこと。
正直なところ、現在の道路交通マナーでこれは精神的に大変。実際にこう走ろうとすると、後ろの車は追い越し禁止ラインさえ無視して右側を抜いて行くでしょう。車間距離を取らずにぴったり後ろに付けてくる奴もいるでしょう。
片側二車線の道路では、前にどんどん割り込んできます。ここでイラっとしてアクセルを開いたならそれでお終い。
PCX150の燃費が良くなる速度は 40〜50km/hの間にありますが、60km/hの道路を単独50km/hで走るのはなかなか度胸が必要になりますので、そこまで50km/hにこだわる必要はないと思いますが、常に頭の中で空気抵抗や摩擦が最低になることを考えながら走行することが重要です。
こういう意味で、低燃費を実現できる条件が整った道路を走行できるとしても、忍耐力がない人や、速度と摩擦の関係を理解できない人に55km/L 以上の燃費実現は無理です。どれだけ忍耐強く運転しても冬場は55km/Lに届かなくなります。今回は燃費が良さそうと・・・と走らせていても、給油前日が雨天走行になったりすると一気に悪化。雨天走行が続くと、忍耐走行してもほどほどの数値しか出ません。
どれだけ忍耐強くアクセルワークに気を遣っても、PCX150では55km/Lが平均燃費の上限に近いと言えます。
摩擦は、空気抵抗、タイヤと路面の摩擦、エンジン内摩擦と駆動から生まれますので、ハード面では、
- シリカ配合低摩擦タイヤを履かせる
- エンジン内摩擦が減るように高性能オイルを使い、オイル劣化に気を配る
- 空気抵抗を減らす。車体を軽くする。
という対策が可能です。PCX150では選択肢は少なく、費用も掛かります。
結局のところ、ちゃんと車体のメンテナンスを行い、忍耐強く走らせて55km/L以上を目指すか、気ままに走って50km/L以下の燃費で満足するか、二択となります。