FreeBSD9/10/11: パラレルATA光学ドライブからインストール不能

前々から気になっていたことなのですが、現在の FreeBSD は、光学ドライブから実マシンへインストールが出来ないんじゃないかという気がします。

私の場合、最近は仮想マシンを使ったり、比較的新しいハードウェアである mini-ITX へ FreeBSD をインストールする機会が多く、ATA接続光学ドライブからインストールする機会が減っていたので気づきませんでした。今年(2016年)の夏に、当サイトのサーバーハードウェア(マザーボード)が故障し、リプレースした時に FreeBSD 9.3 ISOイメージを ftp サイトからダウンロードして Roxio Creator でCD-RWに焼き、CD-ROM からブートして OS をインストールしようとしたのですが、エラーが出てインストールできないとうトラブルが発生しました。こういう時は、原因究明している余裕がないので、別の FreeBSD マシンを使用して dump/restore を使い OS HDDを作成しましたので、詳しいことは調査していません。

FreeBSD 9.3 のサポートサイクルが今月(2016/12)で終了するため、手元のOSを FreeBSD10.3 か FreeBSD 11 に更新できるかどうかを試そうと思っています。OS のサポートが切れると言っても、切れてすぐに使えなくなるわけではなく、セキュリティー更新がされなくなるだけです。個人使用の FreeBSD の場合、アクセスコントロールやファイヤーウォールで不要な接続とパケットを遮断し、アプリケーションのセキュリティーレポートをモニターして対処していれば、まず侵入されたり乗っ取られたりすることはありません。
しかし、pkg をバイナリー更新できなくなるため、portupgrade コマンドでビルドする必要が出て来て、数ヶ月もすると、ports のビルドさえエラーで出来なくなりますから、メジャーアップデートを考えておく必要があります。

最近、7VTXE という AMD Athlon XP 1600+ 搭載の GigaByte のマザーボードを使っている自作PCが手元に戻ってきたので、高発熱という特性を利用し冬用サーバーとして活用しようかと考えており、これに FreeBSD 10.3 か FreeBSD 11 を入れてみようと作業を開始しました。

freebsd.org からダウンロードしたのは、CD用 FreeBSD 10.3 i386 ISOイメージ。boot only ではなく、disc1 の方です。これを Roxio Creator で CD-RW に書き込んで使っています。保存しておく必要がないので CD-RやDVD-R よりCD-RW, DVD-RW の方が便利です。7VTXE は15年くらい前のマザーボードなので、USBブートには対応しておらず、フロッピーディスクイメージが公開されていない現在、光学ドライブからブートしてインストールをおこなうしかインストール手段が有りません。7VTXE には一応 パラレルATA のDVD-ROMが2nd IDE につながっています。
CDブートした時の様子が、以下の映像。

CD-ROM上のkernel を読み込んで起動はするのですが、ファイルシステムをマウントするところで、

ata1: error issuing ATA PACKET command
ata1: error issuing ATA PACKET command
ata1: error issuing ATA PACKET command
ata1: error issuing ATA PACKET command

が大量に出力され始め、ファイルシステムをマウントすることが出来ません。

mountroot>

普通は mountroot> プロンプトで停止するのですけど、エラーが出続けて操作不能に。
これは、数ヶ月、サーバーリプレースを行った時 FreeBSD 9.3 のCDで発生した現象と同じ。

最初は CD-RW の書き込みに失敗しているのかと考え、DVD用 ISOイメージをダウンロードし、DVD-R に書き込んで同様に試してみたものの、症状は全く同じ。エラーは、cd0 のエラーではなく、ata1 のエラーであるため、多分メディアは関係ないでしょう。インタフェース側の問題のはず。
ATAPI光学ドライブなので、33MHz ですが、40pin IDEケーブル、80pinケーブル両方使ってみたけど、結果に影響なし。Master/Slave  とも症状は変わらず、DVD-ROMドライブ の他、CD-ROMドライブをつないでみたり、CD-Rに書き込んだ FreeBSD9.3 boot only CDも試してみましたが、結果は同じ。

インストールOSバージョン を FreeBSD 9.3, FreeBSD10.3, FreeBSD11 のそれぞれ disc1.iso と替えて試してみたものの、ほぼ同じ状態。FreeBSD11 では、表示されるフォントは異なるものの、結局は ATA PACKET command のエラーとなりました。

7VTXE ハードウェア固有の問題かどうかを切り分けるため、P3B-F という安定度が高い 440BX slot1 マザーボードを準備して、 同様に CD-ROM ドライブから FreeBSD 10.3 をブートしてみることにしました。
結果は、次の映像。

 

結果は同じく、

ata1: error issuing ATA PACKET command

のエンドレスループ。

P3B-F は、CD-ROM のPIOモードを変更できるので、MODE0 や MODE3 を使ってみたのですが、

こうなってくると、FreeBSD i386 ISOイメージって、物理IDEポートに接続されている光学ドライブから起動できないのでは?と思えてきます。(ちなみに、VirtualBox 仮想マシンの論理光学ドライブに ISOイメージをマウントすると、問題なく起動できます。)

次に、IDEポート接続の光学ドライブ、USB接続の光学ドライブ ともに対応した Intel mini-ITXボード D945GCFL2 というボードを搭載したPCに接続して試してみました。

USB接続の外付けDVDドライブに上で使った FreeBSD 10.3 インストールCDをセットして起動したところ、インストール開始画面までたどり着くことが出来ました。ただし、動作が遅くとても待たされます。
それが、次の映像。

遅いのと、インストールできないのでは、遅い方が遙かにマシ。

同じインストールメディアを同一PCのIDEポートに接続された CD-ROMドライブにセットして起動したのが次の映像。同じメディアで、異なるのは光学ドライブだけなので、インストール開始画面までたどり着くことができるかと期待したのですが、結果は次の通り。

ata1: error issuing ATA PACKET command

は、出て来ませんが、”mounting from cd9660:/dev/iso9660/10_3_RELEASE_I386_CD failed with error 19″ が出て CD上のファイルシステムをマウントできず。

以上の結果から、

「現時点のFreeBSD は、ATA光学ドライブからはインストーラが起動しない」

のでは?と考えています。これは致命傷とも言える現象なので、どこかに書いてないのかな?あるとすればリリースノートかREADME でしょうね。あとで調べてみたいと思います。

現象は現象としてfreebsd.org にレポートしないと先に進まないでしょうが、今は 7VTXE + Athlon XP 1600+ に FreeBSD10.3 をインストールすることを優先したいので、別の手でインストールを行いたいと考えています。

上で試したとおり、CD-RWに書き込んだ FreeBSD10.3 でも USB 光学ドライブからはインストーラが起動するので、D945GCLF2 で IDE HDD に初期OSをインストールした後、この書き込み済みHDDを 7VTXE に移動することで回避しようと考えています。7VTXE は上記テストのため、PCケースから取り外してあり P3B-F が入っているため P3B-F で試してみたところ、OSインストール済みHDDから無事に起動。IDE が ATA33のため遅〜い。

遅いのは仕方ないとして、OSインストール済み IDE接続 FreeBSD HDD は、OSが起動すると、bsdinstall や bsdconfig コマンドが使えるようになりますので、別のHDDインタフェースに HDDを接続すれば、新たに新規HDDに対してOSをインストール可能な状態になります。

FreeBSD インストーラが起動可能なハードウェアで、HDDにインストールさえしてしまえば、そのHDDや更に孫のHDDを使って後はいくらでもインストール作業が続けられそうです。sysinstall コマンドと比べてbsdinstall コマンドは自由度が低いためとても不便ではありますが。

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