FreeBSD11: WordPress テスト環境を10分で構築する、その3

その2 から続く。

セットアップスクリプト2 を実行する

続いて、残りのセットアップスクリプト fb_autosetup2.sh を実行します。
次の例は、別のPCから仮想のFreeBSD へ ssh でリモートログインしてセットアップを継続する場合の例です。

> ssh staff@pc12
<省略>
Password for staff@pc12.lifewithunix.jp:********(実際には表示されません。)
New Password:********(実際には表示されません。)
Retype New Password:********(実際には表示されません。)
FreeBSD 11.0-RELEASE (GENERIC) #0 r306211: Thu Sep 22 23:43:22 UTC 2016

Welcome to FreeBSD!
<省略>
staff@pc12:~ % su -
root@pc12:~ # cd autosetup/
root@pc12:~/autosetup #	./fb_autosetup2.sh 

注意点は、途中、2回ほどタイプする必要があります。

  1. 一度目はパッケージインストールツールをインストールするかどうか確認を求めてきます。Yes  を入力するのですが、どうしても手入力が必要で一度止まってしまいます。
    root@pc12:~/autosetup #	./fb_autosetup2.sh 
    Hmm...  Looks like a normal diff to me...
    Patching file /etc/inetd.conf using Plan A...
    Hunk #1 succeeded at 9.
    Hunk #2 succeeded at 13.
    done
    Hmm...  Looks like a normal diff to me...
    Patching file /etc/syslog.conf using Plan A...
    Hunk #1 succeeded at 16.
    Hunk #2 succeeded at 22.
    done
    Starting inetd.
    The package management tool is not yet installed on your system.
    Do you want to fetch and install it now? [y/N]: y (必ず y と入力すること)
    
  2. パッケージがどんどんインストールされた後、最後にパスワード入力待ちで止まります。
    これは、この仮想FreeBSD11 の root パスワードです。インストール作業を簡単にするため、今まで管理者パスワードを付けていませんでしたが、この時点でパスワードを付けることになります。事前に何か適当なパスワードを決めておいて下さい。

    Patching file /usr/local/etc/apache24/extra/httpd-mpm.conf using Plan A...
    Hunk #1 succeeded at 31.
    done
    Performing sanity check on apache24 configuration:
    Syntax OK
    Starting apache24.
    Starting mysql.
    Warning: Using a password on the command line interface can be insecure.
    Please add root Password now.
    Changing local password for root
    New Password:**********
    Retype New Password:**********
    root@pc12:~/autosetup #	
    

fb_autosetup2.sh を発行した後は、サーバーとの通信を行いますので、ネットワーク帯域やサーバー負荷状態によって実行速度が大きく違ってきます。このドキュメントを書きながら実行したところ、5分くらいで終了しましたが、時間帯によってはセットアップが完了しないこともあるかも知れません。

以上で WordPress テスト環境のセットアップが完了です。

セットアップに成功していれば、WebブラウザーのURLに今回セットアップした仮想ホストのホスト名かIPアドレスを入力してアクセスすると、下図のように WordPress を利用可能になっているはずです。

autosetup スクリプトで wordpress セットアップが完了

使い方

ユーザーアカウント

次の 3 つのアカウントが準備されています。

  • root:OS自体の管理。OSをメンテナンスしたい場合は、1) コンソールから直接ログインするか、2) staff ユーザーでログインした後、su コマンドでスーパーユーザーにチェンジして使います。WordPress テスト環境を使う事だけが目的なら、電源を落とす時くらいしか用事はありません。パスワードは、セットアップスクリプト再度に入力した文字列。
  • staff:システム管理者になる権限を持つ一般ユーザー。リモートからアクセスしてroot にスイッチするためのアカウント。初期パスワードは staff だが、初回ログイン時に変更を求められる。
  • wordpress:WordPress をWebブラウザーからではなく、直接管理する場合に必要となるアカウント。
    パスワードは、アカウント名と同じ wordpress となっていますので、早めに変更すること。
    ftp でアクセスすると、ログインした場所に wordpress が入っている homepage フォルダー、Webログファイルが格納されている logs、必要に応じてユーザー自作 CGI を格納できる cgi-bin フォルダーがあります。

リモートアクセス

仮想マシンへのリモートアクセス用に、

  • sshd
  • telnetd
  • ftpd

を開けてあります。

MySQL アカウント

WordPress 用に wordpress という mysql アカウントが作成済みです。パスワードは wordpress

URL

この仮想マシンのトップページURL は、

http://host.sample.com/ または、http:// ip address <xx.xx.xx.xx>/

phpMyAdmin

もし、サブURL や 仮想ホストを使って、この仮想マシン上で複数のWordPress を動かしたい場合は、MySQL の管理が必要になるかも知れません。その場合は、

http://host.sample.com/Database/ または、http:// ip address <xx.xx.xx.xx>/Database/ でアクセスして下さい。

WordPress

自動設定スクリプトが完了した時点で、WordPress を使い始めることが出来ることを今回の目標に置いていますので、自動的に最新のWordPress をインストールしました。wp-config.php 内の認証用ユニークキーは、私が生成したものですので、このツールを使う人全員が共通になってしまいます。テスト環境ですから、それでも問題有りませんが、気になる場合は wp-config.php を書き替えて下さい。
最新以外の WordPress を使いたい場合は、homepage フォルダー内を削除して、必要なバージョンをインストールして下さい。

自動セットアップ実行前カスタマイズ

私は、US配置キーボード を使用していますので、仮想マシンコンソール上でのキーレイアウトは 101配置になっています。もし、日本語キーボードの方が好みの場合は、fb_autosetup1.sh 内42行目の # を削除した後で、スクリプトを実行して下さい。

     41 # Remove comment if VM host PC has JP layout keyboard.
     42 #echo 'keymap="jp.106"' >> /etc/rc.conf

または、セットアップ終了後、jp-key.sh を実行して下さい。リブート後、日本語キーになります。

自動セットアップ前の設定情報は、autosetup.configfreebsd11/for_wp.sql の二つのファイルです。独自にカスタマイズしたい場合は、これらのファイルを編集した後で、fb_autosetup1.sh コマンドを実行して下さい。
ネットワークのアクセスにWebプロキシーが必要な場合は、autosetup.config 4,5 行目のコメントを外して下さい。

これくらい情報を書いておけば、興味ある人が使えるんじゃないかな〜と思っています。

課題や問題点など

  • とりあえず公開としていますが、現時点の FreeBSD11セットアップスクリプトは、FreeBSD11 i386 仮想イメージだけを対象としており、このままでは他のFreeBSDバージョンや、仮想ディスクイメージ に対して同じセットアップを行うことが出来ません。
  • 現時点のスクリプトは、エラーは発生せずに最後までうまくコマンドが流れることを前提としていますが、サーバーとの通信は状況によってはエラーになることがあります。エラー対策をしていないため、途中の通信やタイプミスでエラーになってしまった場合は、仮想イメージの解凍からやり直す必要があります。
  • 今後、VMイメージの他、実機へのインストール、Raspberry Pi 用に対応させたいと考えています。また、途中停止してしまったスクリプトを途中から継続できるようにしたいとも考えているところです。

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