AD2700-ITX: GMA3650内蔵グラフィックスはWindows10未対応

Windows10への無償アップグレードが2016/07/29 までということで、Windows7 からの更新作業がどういう流れなのかを体験するために テスト機、ASRock AD2700-ITX という mini-ITX ボード PC、でOSのバージョンアップを体験してみることにしました。Windows10 Stick PCは所有しているものの、8.1から10へ更新する前に壊れてしまい、修理したらWin10で戻ってきたため、更新作業は未体験。

Windows7→Windows10へ更新する

21時頃から、まずは素の 32bit Windows7 Pro をHDDにインストール開始。
OSが入った後、ドライバーCDからWin7用ドライバーをインストール。これで、LANが開通し、ビデオも 16:9 の横長画面に対応。TV番組を見ながらの作業で、ここまで1時間くらい。

このあとIE8(Win7のデフォルト)を開くと、Windows10への更新を促す画面が表示され、ボタンをクリックすると Windows10更新用ページにジャンプ。(Bing でWindows10 を検索して、MSのページから)リンクをクリックして実行ボタンを押すと、Win10への更新作業が開始されました。(更新に必要なファイルがダウンロードされ始めるだけで、実際の更新作業ではありません。)この間、Windows7 は普通に使えますが、ダウンロードが進み、ダウンロードファイルからインストールイメージファイルを作り始めるとフロントの作業が遅くなってきたので、その後 AD2700は放置。気が付くと、Windows10 への更新ボタンが表示されていましたので、事務的にクリック。

Windows10への更新終了

その後は、いつものセキュリティーパッチやサービスパックのインストールと同じ。待たされたり、リブートを繰り返して、気が付くと Windows10になってました。ダウンロード開始から2時間くらい、Windows7のインストール開始から3時間くらいという印象。途中で止まったりするかと思っていましたが、何もトラブらずに、Windows10に到着したのはちょっと意外。ただし、この後も、更新プログラムやら新しい機能のインストールなどで色々メッセージが出てくるので、まともに使えるようになるのは、更に後の話。

Windows10での問題点

さて、問題点。

ドライバー関係のトラブルは発生するだろうと予期していましたが、ビデオ以外のトラブルは全く問題なし。ビデオは予想通りWindows10未対応で 4:3 画面になります。

D2700ボードの4:3画面

画面のプロパティーで調整しようにも、16:9画面が出てこないため設定のしようがありません。ただし、1600×1200のモードはあるので、ディスプレイ側の解像度さえあれば、全く使えないわけではありません。私の場合は、1280×1024 に我慢できるなら使えるという感じですが、左右に無駄なスペースを抱えたモードでの使用には抵抗があります。

GMA3650ビデオのプロパティ

ブラウン管のCRTを使うなら問題ないかもしれませんが。

16:9画面で4:3のサイズを使うと、左右に使えない領域が残る。

Intelホームページのサポートマトリックス

Intelホームページのサポートマトリックス情報

これは、Intel のサポートマトリックスにあるとおり、D2700 内蔵ビデオは、Windows10 のサポートが無いということなので、(1) 4:3 画面で使うか、(2) 内蔵GMA3650ビデオを諦めて、PCIビデオやUSBビデオを検討するか、(3) Windows7 に戻すかの選択肢になります。4:3画面ながらパフォーマンスはそれほど悪くないので、ビジネス用途で、且つブラウン管を使うならこのままWindows10にとどまるのも悪くないのかもしれません。

<2016/09/20 追記>

Windows10 で使えそうな PCIバス ビデオカードが見つかりました。
玄人志向 グラフィックボード NVIDIA GeForce GT610 PCI 1GB GF-GT610-LP1GHD」です。PCI-Eバス用チップをPCIバスに変換している模様。D2700-ITXのPCIバスにインストールできそうです。

Amazon の製品ページには明確に Windows10対応 とは書かれていないものの、nVidia のドライバーダウンロードページには、GT610用のWindows10ドライバーがあるので、これでいけるのではないかと思います。お金と時間に余裕があるなら試してみたいところですが、価格をみるとためらってしまいますね〜。

2017/02/12 追記:

Amazon のユーザーレビューによると、Windows10での動作確認を行った人が複数いるようです。

Windows7から引き継がれるもの

各種設定はWindows7から引き継がれますので、このまま使うなら環境移行が不要で便利です。

ログオンは、従来通りのWindowsローカルなアカウントの他、hotmailなどのMicrosoftアカウントに切り替えて使う事も出来ます。別の場所にある複数のWindows10を使うような場合は、One Driveと組み合わせて使えば便利そう。

Windows7 に戻す

私の場合は、単に AD2700-ITXでWindows7からWindows10 の更新を体験してみたかっただけのことなので、ここからWin7 に戻すことにします。(ビデオドライバーがあれば、そのまま使ったかもね。)

Windows10からWindows7に戻すルートはちゃんと準備されていて、設定→更新とセキュリティ→回復 画面からWindows7 に戻すを選択すればよいようです。

Windows10を削除

Windows10からWindows7に戻す

少し待つと、戻す理由を尋ねられました。(ここは画面キャプチャーできないので画面を撮影)
もちろん、デバイスがWindows10で動作しない を選択。

以前のバージョンに戻す理由をお聞かせ下さい

その他にも色々メッセージが出てきますが、最終的に次の画面が出てきて、「Windows 7 に戻す」を選択。

Windows10をお試し頂きありがとうございます。

アップデートには2時間くらい掛かりましたけど、戻すのは10分くらいでした。あっというまに完了。
Windows10用ファイルはディスクに保存されたままなので、気が変わってまたWin10に上げたくなった場合はもっと短時間で更新できそうです。

Windows10への更新を試してみての感想

Windows10への更新を体験するという目的で、Windows10が完全には対応していない(と、後から判明)ボードを使いましたけど、何もアプリが入っていなくて、殆どカスタマイズされていない環境だったためか、待ち時間だけの非常に簡単な作業でした。

ビデオボードを調達してまでD2700ボードをWindows10に上げる価値があるか?と考えると、既に所有しているPCIビデオカードが運良くWin10に対応しているならともかく、新規購入してまで D2700ボードを Win10に更新する必要はないと感じます。Win10を使いたいなら、Diginnos のスティックPC を購入すれば、ビデオカードと同程度の価格で、安全にWindows10を調達出来ます。

Windows10対応のPCIビデオカードの調達と言っても、すんなり動くかどうか分からないし、近い将来OSが更新されて使えなくなる可能性は高いですからね。ビジネスにバリバリ使いたいというならまた話は違ってくるでしょうが、とりあえず「Windows10が必要」という程度の動機なら、こういうお手軽PCが良いと感じたトライアルでした。

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