SIMフリーモバイルルーター GL10P と格安SIMを試してみる

モバイルルーターが必要になってきました。

季節は春。PCXに乗る機会が増えて、アクションカメラやナビを装備しました。出来ることなら走行中もオンラインでありたいと思うわけです。私が使っている Hybrid W-Zero3 はスマートフォン + ソフトウェアでルーターとして使える機能を持っているのですが、PHSでモバイル通信できるサービスエリアは非常に狭い!3G回線を使用すればソフトバンクの3Gサービスエリアでインターネット接続できますが、使った途端 5,000円掛かります。3MB程度に5,000円ですよ。ふざけんじゃないと言いたい。
私のHybrid W-Zero3の契約は「新ウィルコム定額プランGS」というもので契約時の選択肢は無し。PHS回線を使う限り、データ通信は容量無制限で月額1450円固定、帯域制限無しという電波条件がよい都市部では非常にありがたいプラン。3G回線を使うと1パケット0.1円、ただし上限が5,000円というべらぼうに高いプランになってしまいます。キャリアが帯域制限を掛けるくらい3G回線を使うなら別ですけど、生活の殆どは固定回線。外出中のわずかな時間のためにモバイル回線を使いたい場合、ウィルコム(今はY-mobile)の3G回線は使うべきではないと言えます。

余談:「1パケット0.1円」がどれだけ高いかというと簡単な算数で、5,000円で利用可能なパケットは5万パケットということになります。携帯電話の1パケットは最大128バイトなので、128バイト x 50k = 6,400k = 6.4MB、最大でもわずか 6.4MBであり、データ通信には、送信に対してデータを正しく受け取ったという受信確認パケットが発生します。つまり応答パケットが半分を占める可能性があり、最大値は更に半分になる可能性があります。その他の理由も合わせて考えると、3MB程度、ラジコで例えると3~5分受信すると5,000円ということです。別の例えをすると、高解像度デジカメ写真を1枚か2枚受信または送信しただけでMaxに達してしまうわけです。

PHSデータ通信は、都市生活で外出中は電話やメール受信用に、自宅では固定回線の代わりとして使うなら、(というかそういうつもりで買ったんだけどな〜)コストパフォーマンスに優れるサービスだと思うんですが、田舎ではその便利さを発揮できず。まあ、サービスエリア内であっても、外部から給電しないと、わずか1300mA/h のWS027SH用バッテリーEABL18ではルーターとして使えるのは1時間くらいなんで、Hybrid W-Zero3のモバイルルーター機能に期待すべきではないのでしょう。

以上のようなバックグランドから、外出用のモバイルルーターを調達することにしました。
選択肢としては、

  • キャリアが提供するモバイルルーター、またはスマートフォンとテザリング機能を使う
  • ルーターとSIMを別々に自分で調達する

があります。

私は、キャリアが準備しているプランが嫌い。キャリアは、キャリアにとって都合がよい(利益効率が高い)プランを売りたいわけでそれを勧めてきます。ユーザーにとって都合がよいプランも提供することはありますが、そこに落とし穴を仕掛けるか、本当にユーザーに都合が良くてキャリアが儲からないプランはすぐに引っ込めます。または、制限を後付けしたり、内容を複雑にわかりにくくしてきます。キャリアは有限リソースである回線帯域を効率よく運用したいわけですから、当然といえば当然です。

私が、今、外出する際にインターネット回線に期待することは、

  1. データ通信だけでいい。通話は、PHSやIP電話ソフトで対応する。
  2. 移動中、
    • モバイルデバイスが勝手にメールを受信してくれて、
    • 交通情報や天気予報をリアルタイムに受信できたり、
    • 必要に応じて地図ソフトを参照したり
    • 目の前の商品をオンラインショップで購入するとどの程度安いのか調べたり
    • ブックマークしている列車時刻表にタイムリーにアクセスしたり
    • メールサーバーにある過去のメールを検索できたり、などなど
  3. 月額利用料金を1,000円以下にしたい。できれば500円以下に。
  4. 回線速度は、帯域制限が発生したとしても 128kbps が常時ほしい
  5. 動画にはアクセスできなくてもいいし、再生に影響が出ることは許容できる

この程度です。外出の目的はインターネット通信じゃなく別にあるわけですから、この程度で十分かなということ。

まずモバイルルーターですが、キャリアに縛られたくないので、AmazonでSIMフリータイプを探したところ、Huawei GL10P というSIMフリーで新品で手頃なモデルがマーケットプレイスに見つかり、評判も良さそうでこれを買ってみることにしました。約5千円。(2016/05/11追記:SIMロックが掛かっている GL10Pは、303ZTと同じ方法でSIMロック解除できます。)

 

EMobile向けのモデルのようですが、マーケットプレースの新品でSIMロック解除済み。

次に格安SIM。

これには迷いました。モバイルルーター出店者が動作確認している条件は次の通り。

起動確認済MVNO SIM(ドコモ回線)

mineo(マイネオ) ドコモプラン(Dプラン)
IIJMio
BIGLOBE LTE・3G
OCN モバイル ONE
NifMo (ニフモ)
DMM mobile
ワイヤレスゲート
WiFi+LTE
楽天モバイル
U-mobile
FREETEL SIM
Pointy SIM
ASAHIネット LTE
b-mobile

私は、モバイルルーターも格安SIMも未体験なので、ルーター側の設定やSIM提供会社の使い勝手が未知数。一応通信会社のサイトを確認してみて、開通までの手順はSIMが契約前にあるか後から届くか大きく分けて二通りあることや、高速通信と低速通信の二つを切り替えて提供していること、使えるキャリアはDocomoとAUの二つしかないこと、低速通信に容量制限や帯域制限を設けているキャリアと設けていないキャリアがあること, データSIMはしばりが無いので解約が簡単 などがわかりました。200kbps と言われてもこれがどの程度遅いのか分からないので、失敗しても差し支えないくらい初期コスト(540円也)が安くDocomo回線を提供している DMM SIMをモバイルルーターと一緒に購入することにしました。計算してみると、200kbpsでも24時間ダウンロードし続けると1.6GB以上のデータになりますから 200kbps は結構なスピードです。

そして、実物が到着。

GL10PはSIM無し単体で、家庭用無線ルーターとして使用できるので、これはこれで便利。
GL10P到着日にSIMが届かなかったため、ルーター到着初日は家庭内WiFiルーターとして、自宅のFONルーターに接続して使用開始しました。

到着時点のFirmwareバージョンは 1.63(うろおぼえ)。しばらく使っていると勝手にネットワーク経由でファームウェアのダウンロードが始まり ver. 1.76 に更新されていました。GL10Pは携帯回線の他、WiFi回線にも接続できるので、iPadをGL10P経由でインターネット接続するように登録しておけば、ルーターとiPadをを持ち出すときに手動でアクセスポイントを変更する必要がないので便利です。

翌日にDMM SIMが到着。

DMM SIM側の動作確認リストにGL10Pは存在しないので、上記の申し込み書に書かれているDMM提供の情報だけでは、ユーザー名とパスワードが分からず少し戸惑いましたが、「GL10PとDMM」で検索すれば先人達の情報がたくさん出てくるし、サポート対象ルーターの「Aterm MR04LN」用に書かれた情報が役に立ちました。ちなみに、APN, User, Pass はルータ本体からは設定できず、iPadからルーターの設定画面をアクセスして入力する必要がありました。
選択したコースは、1GB 480円のコース。高速通信が付いていないライトプランで十分だと思っていましたが、1GBプランとの差額が40円/月なので、とりあえず高速通信も体験しておこうかという気持ちで選択。

DMMのWebページで高速通信をOffにして、200kbps で実際にモバイルルーターとして使ってみたところ、200k pbs というスピードは使える!

200k bpsが どれくらいかというと、PCのブラウザーでAmazonを開いて、何か興味ある商品をクリックします。ページ の上から下までちゃんと情報を見て行きながら一番下にスクロールさせた頃、ちょうとページのダ ウンロードが終わるような感じ。 途中で気になる別の商品を見つけてクリックし、それが別のタブで開くと途端 に画像の到着が遅くなります。何枚もタブを開いて並行して調査するような使い方は、低速回線には向いていません。それでもそういう使い方が必須であるなら、高速通信容量が多めの高めの料金プランを選べば解決できます。ためしに1GBプランに付いていた高速通信スイッチをOnにすると、途端に複数タブページが簡単に開けるようになりました。DMM mobileの場合、低速通信時のパケットは、高速回線時のパケットに含まれないので、高速回線スイッチをOffにしていて低速回線だけで1GBを使い切ってしまうことはないので安心。しかし、「※通信速度最大200Kbpsの状態で3日間の通信量が合計366MBを超えると通信速度が制限される場合があります。」という注意事項もあるので、どういう制限をするんだよ〜と不安な要素もあります。これは、実際試してみないと分からない。低速通信がさらに制限される(たとえば100kbpsに落ちる)ようなら、低速通信を制限しないプロバイダーに乗り換えることする予定です。

GL10P自体は 3G と LTE の両方に対応しています。3Gに関しては全国で有効ですが、LTE 通信に関してはGL10P が内蔵しているLTE用のアンテナ周波数とキャリア(今回はDocomo)のアンテナ周波数が一致しているエリアでないと働きません。GL10Pに詳しいサイトの情報によると、GL10PがLTEモードで通信できるのは、関東、関西、名古屋エリアの一部だけだということ。私が使うエリアは3G通信のみになりますが、それでも特に問題ありません。

それから、EMobile向けのルーターのためか、通信料が国際ローミングの部分にだけ表示されてしまいます。GL10P通信料表示画面

EMobileの部分はいつまで経っても0のまま。このため、ルータのホーム画面の通信料表示部分は常に0GBで意味がない。気になるのは最初だけで、使い心地が分かれば気にならなくなることは分かっているので許容範囲内。

DMMというと、アダルト系コンテンツの印象だけだったのですが、このモバイルデータ系のサイトは非常に良くできていて意外でした。とてもわかりやすくて使いやすい。ただ「モバイル/格安スマホ」メニュー以外の殆どがアダルト系で私には利用する気にならない状態なのが残念。電子書籍やPCソフトというカテゴリもあるにはあるのですが、使い易そうには見えず、複数サイトでコンテンツを入手すると分からなくなるので、事情がない限りAmazon Prime を使うことになると思います。Amazonで調達できない書籍なら考えますけどね。

せっかく契約したDMM mobileなので、とりあえず5月まで使ってみようと思っているところです。

低速通信時の使い心地が分かったところで、他の格安SIMプロバイダーで、低速通信に制限が掛からないメニューを提供していそうなところをピックアップしてみると、

  • mineo:700円で高速通信500MB付,基本容量を越えると200kbps に帯域制限されるが、それ以上の制限記述は無し、事務手数料を3,240円も取られる、SIMは郵送
  • ワイヤレスゲート:低速通信は250kbpsで480円、ヨドバシで導入セット(SIM付)を購入可(3,240円)
  • 楽天モバイル:ベーシックプラン 525円/月、低速通信(200kbps)の制限に関する記述無し、事務手数料3,000円も取られる、SIMは郵送

が見つかりました。もっとよく探せば他にも提供しているところがあるのかもしれませんが、特徴として、契約時の事務手数料、ユーザーにとっては初期料金が3000円以上と高い!使い心地が悪いからといって、簡単に他社に乗り換えると、やっぱり戻そうと思ったときにダメージが大きい。

以上、契約して自宅近辺で2日ほど使った感想をまとめてみました。
1ヶ月後にはモバイルルーターや格安SIMに関する感想が全く変わっているかもしれませんが。

2016/04/24 追記

SIMフリーGL10P の使い心地がいいもので、近所のおじさんが「私も使いたい」ということで、もう1セット調達することになりました。

今回は、ルーターとDMM SIMが同時に到着したのですがトラブル発生。
既存のネットワーク環境で、DMMへの登録を済ませ、SIMをルーターに挿入したものの、何分待っても「圏外」状態でDocomo回線につながりません。

SIMとルーターのどちらかが悪いわけですから、私のSIMを取り外して、新しく調達したGL10Pに入れたところ、同じ症状。つまり、圏外になってしまう。逆に新しいSIMを動作中のGL10Pに入れると正常に動作する。つまり、SIMは無事に登録完了したわけです。

ということは、、、、ルーターが故障、またはSIMロック解除されておらずSIMフリーではないって事か〜〜〜。とがっくり。Amazonの出店者とコンタクトせねば、、、、と考え始めたところで、ふと、正常に動作しているルーターはソフトウェアの更新が発生したことを思い出しました。
SIMの到着が遅れたので、モバイルルーター到着初日は3G回線ではなくWiFiで使って、その間ファームウェアの自動バージョンアップが発生したことを思い出しました。故障を疑う前に既存WiFi APに接続してファームウェアをバージョンアップすべきなんじゃないかと思いつき、実行。

そうしたら、圏外が消え、無事に3G回線と接続できました。つまりGL10P と DMM SIM の組み合わせで利用する場合、システムのソフトウェアバージョンを1.76にしないといけなかったわけです。

また、モバイルルーターには、高速回線使用時の容量をカウントして自動的に低速と切り替える機能がありますが EMobile の回線にのみ有効な機能のようで、MVNOの回線はすべてローミングとして計測されるようです。つまり、ルーターの「データ通信量」メニューは機能しません。

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