昨年、Android 4.2 メディアプレイヤーを購入したというメモを残しました。タブレット用OSを無理矢理セットトップボックスに詰め込んでいるため、付属のリモコンで操作しづらく、必要なとき以外の出番がなく放置状態でした。
その後、Amazon Fire TV Stick と Fire Tablet を購入し、多少 Android OSに慣れたことと、Intel Compute Stick 用に無線キーボード・マウスを購入したことから、Set Top Box もキーボード・マウスをつなげば使いやすくなるのでは?ともう一度使ってみることにしました。
DN-12928とは
まず、DN-12928 はRaspberry Pi 2 や Apple TVとほぼ同サイズのセットトップボックスで、ビデオケーブルでTVと接続した後、USBポートやSDメモリスロットに動画データが入ったメディアを接続すればビデオプレーヤーになるというAndroid端末。写真データや音楽データも再生できます。LANに接続すれば、Webブラウズ、電子メール、YouTubeなど Android タブレットやスマートフォンで使える機能は同様に出来るわけですが、付属リモコンとOSの相性が悪く、動画再生以外で使おうとするとあまりの使いにくさにイラっとする仕様です。
ただし、PCではダウンロードするのに一苦労してしまう YouTube のような動画サイトのFLVデータを MP4形式で簡単に保存できたり、Radiko.jp や らじる☆らじる をタイマー録音できたりするアプリを簡単に使うことが出来ます。
長所
- コンパクトで、低消費電力
- YouTube動画をMP4保存できる
- ラジコ、らじる をタイマー録音できる
短所
- 付属のリモコンがイライラするほど使いづらい
- 力不足(YouTube HD動画再生はきびしい)、すぐに Out of Memory になる
- 106日本語キーボードでは、日本語入力が出来ない(漢字変換は出来るが106キー配置がなさそう)
- WiFiとBluetoothは内蔵されていないので、有線接続しか出来ない
- シングルウィンドウ(タスク切り替えは出来るものの、DOS時代の使い心地)
中身はRaspberry Pi同様の DualコアCPUの低消費電力ボードなので、うまく使えるのなら Fire TV Stickや Stick PCのような使い方が出来るのでは? と期待してしまうわけです。
キーボード・マウスを接続すると
リモコンの使いにくさがなんとか解消され、一応、日常的に使えるようになります。ただし、アプリケーションは全面表示となり、バックグランドまわったアプリは終了はしないものの、はたしてちゃんと動いているのかどうか。例えば、YouTube はバックグランドに回ると停止します。
それでも、クリックしたいところをマウス一発で押せたり、検索キーワードをキーボードから入力できるのはありがたく、再生したい動画ファイルの選択はストレスを感じなくなります。(ただし、キーボードはUS配置しか選択できないのでは?)
Radiko.jp
Google Play から Radiko.jp for Android をダウンロードすれば、一応ラジコを使えるようになります。radiko.jp 単体で使用する場合、DN-12928 にはGPSもWiFiも接続されていないため、所在地を特定できず Radiko が再生を始めない場合があるようです。我が家もそうでしたので、偽GPS座標を作り出せる Fake GPS のようなアプリを使って Radiko を騙す必要があります。
ラジコはラジコで Android の偽GPS機能が有効になっているかどうかを検出してOSのGPS偽装機能をOffにするように求めてきます。面倒ですが、
- OSの偽GPSを有効にする
- Fake GPSを起動
- 偽座標を決めてスタート
- OSの偽GPS機能を無効にする
- Radiko.jp for Android を起動する
- Fake GPSを起動したままにしておく
という手順で回避できます。
または、raziko というアプリをダウンロードし、raziko経由でradiko.jp for android を使うようにすれば、聴取座標の問題は回避できるようです。
らじる☆らじる
NHKのラジオ番組はGPS座標を必要としないので ネットラジオ をダウンロードすれば再生可能になります。
これで、ラジオを聞くことが出来るようになりますが、録音となると著作権を管理する側の Radiko.jp、らじる にはいつものようにサポートがありませんので、リスナー側のアプリケーションを探すことになります。
Radiko.jp と らじる☆らじる を録音するには
Radiko.jp for Android 単体では番組を録音できないので、別アプリと合わせて使うことになります。
Raziko または 録音ラジオサーバー というアプリケーションを使えば、録音できるようになります。ただし、タイマー録音したい場合 Raziko は月額課金(100円)されるようなので長期間使うならPC用のラジコ録音アプリを購入する方が納得できそう。録音ラジオサーバーは無料アプリなので、お金を掛けたくない場合はこちらを選択するしかありません。
録音するための準備としては、
- Radiko.jp for Android で聴取したいラジオ局を再生できるようにしておく
- らじる☆らじる を聴取できるようにしておく
- 一旦番組が流れるようになれば、各アプリは終了させてOK
- 録音ラジオサーバーを立ち上げる(しばらく待って、ホーム画面に聴きたいラジオ局が表示されればOK)
- この後は、Radikoやらじるは起動せずに録音ラジオサーバーの上げ下げだけで使えるようです。セットトップボックスの電源を落とした場合、らじる は次回 セットトップボックスを起動しておけば予約録音は自動的に行われるようでが、ラジコは、GPS情報が必要なため一旦再生可能状態に戻しておかないと駄目なようです。
リアルタイム録音するには
再生・録音画面で、録音ボタンを押すだけ。
タイマー録音するには
放送局をホーム画面で決めた後、再生・録音画面で、録音開始時刻、終了時刻を入力して番組を指定。単発、毎日、毎週を指定可能。
番組表から一発予約録音やキーワード録音ということはできないので、ヘビーラジオユーザーには向かないかも。
録音したファイルはセットトップボックス上の内蔵ストレージ(/radioserver2)に保存されるため、録音ファイルを消去したくない場合はネットワーク経由か、SD/USBメモリ経由で外部にコピーする必要があります。
ファイルサイズはちょっと大きめ。NHKニュースを録音してみましたが、15分番組に14MBでした。
動画サイトの動画を保存するには
動画サイトの画像はFLVストリーミング形式のことが殆どで、JPEGファイルのように選択して保存するだけでは、通常動画全部を保存することは出来ません。Androidでも基本的にはそれと同じ。
PCで手間を掛ければ動画サイトの画像を保存することは出来ますが、Webブラウザーだけではかなり面倒なので、ユーティリティソフトを使うのが一般的。
Androidセットトップボックス DN-12928 の場合は、Android 4.2.2 の標準なのかどうかは知りませんが、ESファイルエクスプローラが最初から入っているので、結構簡単にストリーム動画をMP4ファイルに保存できます。
動画ファイルを再生するシーンになると、再生かダウンロードを選択するボックスが表示され(1回のみを選択すること)、ESダウンローダを選択すれば、画面上での再生ではなくダウンロード出来ます。(常時 を選択すると以降、その操作がデフォルトになってしまいますので、要注意)
ダウンロード場所は、ESファイルエクスプローラの設定画面で確認・変更可能。SDメモリへのダウンロードが可能になります。USBメモリへのダウンロードも可能ですが、USBは遅いので並行ダウンロードがしばしば失敗します。
ただし、このESファイルエクスプローラはかなり怪しいアプリで、ESファイルエクスプローラを使用した後、baidu.com へ何かデータを送っています。小さいデータを送っているので、URLとか検索ワードじゃないかと思いますが、中身が分からないのでかなり気持ち悪い。私は、ゲートウェイで baidu.com へのPOST通信を遮断することにしました。
YouTube動画に関しては、このESファイルエクスプローラではダウンロード出来ないため、”Download Video” というアプリを google play からインストールしました。ダウンロードするだけならESファイルエクスプローラを使用しなくてもよくなるので baidu.com へのアクセスが減りますが、ESファイルエクスプローラは、ファイル操作用のツールとして優れているので、完全にESファイルエクスプローラを使わなくすることはちょっと難しいかも。
Android セットトップボックスでは、重要なやり取りは行わないのが良さそうです。
Androidセットトップボックス DN-12928 のまとめ
パフォーマンスには難があるものの、本来の目的のビデオプレイヤーとしては十分な機能を備えており、その他PCには無い機能も備えて、そこそこ使える低消費電力でコストパフォーマンスに優れた道具と言えそうです。
これをメイン環境にするのは考え物だと思いますが、約8,000円で購入できて、(録音ファイル保存場所など)設定して放置しておけばラジオ録音サーバーとしても使えるので、待機電力をPCと比較するなら、悪くないツールです。あくまでも日常的に立ち上げて使って、ついでにラジコ録音をするという用途ならば。
ラジコ録音用途だけを考えて8000円出すくらいなら、PC用録音ソフトを選択する方がよさそうです。(Android はなんだかんだでWindowsよりイラっときます。)