先日、Raspberry Pi2 に Raspbian と WordPress 入れて、ベンチマークとパフォーマンスの体感を行ったと書きましたが、その時は試行錯誤しながら操作していたため手順をまとめる余裕がありませんでした。
今回、Raspbian で WordPress を使うことが出来るようにする作業手順を記しておきたいと思います。
必要なもの
- Raspberry Pi 2
- 最低4GBのマイクロSDメモリ
- スペック的には1.5A以上になっていますが、5V 1A のUSB充電器
- 有線LANケーブル
- HDMI ケーブルと、モニター。
- キーボード(とマウス)
Raspbian の場合、起動途中にキーボード(またはマウス)入力を求められますのでネットワークが開通する前はキーボードが必要です。
Raspbian のインストール
Raspberry Pi 2 に Raspbian をインストールするための選択肢には二つあり、
- NOOBS
- Raspbian
のどちらかを、https://www.raspberrypi.org/ のダウンロードサイトから落として利用することになります。
NOOBS はFATに初期化したSDメモリにファイルをコピーして、Raspberry PI 2 で起動するだけで、起動途中に Raspbian をインストールできるので楽ですが、SDメモリ上に無駄な領域がたくさん残り、手軽な割にSDメモリの利用効率が良くありません。WordPress に興味が無く、元々の教育目的の使い方をしたいなら迷わずNOOBS でしょう。
Raspbian は、2015-05-05-raspbian-wheezy.img というファイルを dd というダンプコマンドを使ってSDメモリに書き込むことにより、Raspberry Pi2 を起動する前にインストールが完了します。手間な分、SDメモリ利用効率は高くなっています。OSが上がってしまえば、Debian のまんま。
私は、4GB micro SD メモリとテストが簡単な NOOBS で利用開始し、NOOBS Raspbian を使って、USBポートに接続した SDメモリに dd コマンドで 2015-05-05-raspbian-wheezy.img を書き込み本番 Raspbian をセットアップしました。
さすがにUSBポートにUSBメモリとカードリーダーを差すと、dd コマンド中に PWR LEDランプが消えました。1000mA 電源では電力ギリギリみたいです。
OSのインストールが終わったら
パッケージのインストールには apt-get コマンドを使います。このため管理者が個別パッケージを選択しなくても、親パッケージを選択すれば依存関係がある子パッケージも自動的に入れてくれます。更に、それがサービスやデーモンだった場合は、自動的に起動させて、次回リブート時にも自動的にプログラムが開始するようにコマンドを設定してくれます。
典型的なLAMP環境で、指定するパッケージは3つだけ。
WordPress を動かすためのパッケージ
- WordPress
- phpMyAdmin
- MySQL-Server
apt-get install wordpress phpmyadmin mysql-server
で必要なものが全部入りました。Apache や PHP は依存関係で勝手に入るようです。
mysql-server インストール時にはサーバー管理者パスワードを求められるかもしれません。
このコマンドでインストールした WordPress は 使いません。
次のパッケージは、WordPress を動作させるのに必要ということではありませんが、メンテナンス作業として、PCからリモートアクセスしたり、ファイル転送したりするので、これらのパッケージをインストールしました。
Raspbian/WordPress を便利に使うためのパッケージ
- wget
- ftpd
- ftp
- telnetd
- telnet
- inetutils-inetd
- update-inetd
WordPress 用にカスタマイズ
- MySQLサーバーに、WordPress 用のアカウントとデータベースを作る
phpMyAdmin で、WordPress 用のデータベースとアカウントを作成します。
SQLコマンドで実行できるスキルがあるなら phpMyAdmin は必要ありませんが、データベースを何個も作ったり消したりするなら、入っている方が楽。私は、迷わず phpMyAdmin を使っています。 - WordPress ディレクトリに Apache と作業者がアクセスできるようにパーミッションを整える
パッケージインストール直後はrootパーミッションでインストールされているため、Apache は読み出しできても書き込みできません。また一般ユーザー pi もファイルの書き込みが出来ません。/var/www にApacheとWeb作業者 pi がメンテナンスできるようにオーナ(pi)/グループ(www-data)、パーミッション(775)を変更します。
WordPressのインストール
- WordPress に関しては /var/www の下に直接 ftp アップロードなどでインストール。
- wp-config.php を編集する
上で設定したWordPress 用のデータベース名とmysqlアカウント情報を wp-config.php に書き込みます。
Apache を構成する
- mod_rewrite を有効にする
a2enmod, a2dismod コマンドを使って、/etc/apache2/mods-enable の下にリンクを張る。mod_rewrite を有効にする。 - /etc/apache2/site-available/defaut を編集
/var/www に対して、CGIを有効にすることと、.htaccess を使えるようにする。
このあとで、
service apache2 restart
とコマンドを発行して apache を再起動するか、リブートすれば WordPress の使用準備は完了。
ただし、セキュリティー関係は何の対策も施していないため、この状態で使うなら自宅ネットワークでの使用にとどめる必要があります。