2月にHDDが故障したVyatta ルーターですが、ルーターとしての機能は24時間以内に回復させたものの、Boinc は簡単に復活出来なかったため放置状態になっており、今回これをを復活させる事にしました。
FreeBSD でネットワークインフラストラクチャーを構成している私のネットワークに、なぜLinuxベースのVyattaルーターがあるのかというと、私が契約しているインターネットプロバイダーと、FreeBSD のカーネル標準機能によるルーター化ではパフォーマンスが出なかったためです。複数のルーターやカーネルチューンしたFreeBSDを試しましたが、消費電力、ルーターパフォーマンス、ロギング機能、全てを満足させるには、(以前からルーターアプライアンスに興味があったことと、設置した時点では)低消費電力PCにVyatta OSをインストールしてルーター化して使うのが一番良い選択肢だと思えたためです。(今だったら、FreeBSD + Quagga を試すと思う。)
PCハードウェアを使っているため、それに起因する故障(主にファン停止やノイズ)は起きましたが、今年2月まではルーターの存在を殆ど意識することなくバックグランドで活躍してくれていました。
Vyatta OS は Debian Linux ベースであるため Linux 用プログラムを動かす事も出来ます。私の規模のネットワークであれば、90% 以上の時間はスタンバイ状態ですから、夜間などに分散コンピューティングプロジェクトのBoincクライアントを動かしていました。
2012年にルーターOSインストール時はBoincを手動インストールして動かしていましたが、今年二月に HDD が故障しOS丸ごと再インストールした時、以前と比べて状況は大きく変化。
まず、Boinc のバージョンが更新されており、私のVyatta OS のバージョンとDebian のライブラリの関係で、ダウンロードしたBoincクライアントをインストールしても実行できない!(厳密には、以前使っていたboincプログラムがHDDと一緒に消滅してしまったため、使えるバージョンはどこかにあるはずだが簡単には見つからなかった。忙しくて探す余裕がなかった。)
一番大きかったのはVyatta が買収されてしまった事。Vyatta OSは VyOS になり存続していますが、Vyatta OS を使い続けているユーザーには更新が提供されなくなってしまったようです。 aptitude や apt-get がサーバーを見に行ってもエラーになります。ルーター機能は、CDからインストールされるパッケージだけで構成できますが、付加機能をインストールできません。例えば、ネットワーク状況表示するツールやユーティリティなどです。1ヶ月前と比べて少し余裕が生まれた事から、開発元によるアップデートが終了したOSにカスタマイズを加える事にしました。
package { auto-sync 1 repository community { components main distribution stable password "" url http://packages.vyatta.com/vyatta username "" } }
コンフィグレーションを確認すると、Vyatta OS が自動接続しようとするホストは、packages.vyatta.com であることが判明。
また、Vyatta と Debian のバージョンを確認して、Linux カーネル 2.6 / Debian 6 ベースである事を確認しました。 wikipedia を確認すると、squeeze というコードネームとの事。
$ show system image version The system currently has the following image(s) installed: 1: Old-non-image-installation [VC6.3-2011.07.21] (default boot) vyatta:~$ cat /etc/debian_version 6.0.1 vyatta:~$ uname -a Linux vyatta 2.6.37-1-586-vyatta #1 SMP Thu Jul 7 22:01:14 PDT 2011 i686 GNU/Linux
ということは、この squeeze というバージョンのパッケージを提供している debian パッケージサーバーに接続すればいいんじゃないの?と、管理モード configure で、
set system package repository community
コマンドで、URL と distribution を書き替え。
結果的に、次のようにしました。
yatta# show system package repository community components main distribution squeeze password "" url http://http.us.debian.org/debian username ""
commit して save でコンフィグレーションをファイルに書き込んでバックアップ。
これでようやくパッケージのアップデートが出来そうな雰囲気。
BOINC のインストール
apt-get コマンドで boinc を取ってきました。Webブラウザーを使ってプログラムをダウンロードして、手動インストールするのと比べて、apt-get コマンドってとっても便利ですねぇ。
apt-get install boinc
とタイプするだけで、boinc の90% のセットアップが終わりました。
私の場合は、Windows PC の Boinc Manger からネットワーク接続して、タスク管理を行いたいので、/etc/boinc/remote_hosts.cfg にリモートアクセスするホスト名を追加する必要がありました。この後で、boinc サービスを再起動して設定完了。
ネットワークユーティリティのインストール
ついでに、ルーター機能を確認するためのユーティリティもいくつかインストールしておきます。
apt-get install iftop bmon iptraf
とネットワークを使用している帯域表示ユーティリティを3つ入れておきました。
しばらく放置していたルーターでしたが、これで多少は有効に使えそうです。