FreeBSD 8.3 diskless構築、その10

ディスクレスシステム構築も、そろそろ区切りとしたいところ。欲を言えばきりがなくなるため、Google Chrome OS と同様、OSが起動した後、ウィンドウ環境が立ち上がり、WebブラウザーからGoogleアカウントでGmailにログインし、電子メールを送受信出来るところまで進められれば、最低限のディスクレス環境が整ったと判断したい。

それには、日本語入力が出来なければならない。Unix環境ではMacやWindows以上に日本語入力環境が選択出来る。FreeBSD Portsコレクションを見ると、Canna, Wnnなど昔からの入力方法や、Anthy などが選択出来るようだ。ここではAnthyを使ってみようと思う。

日本語入力インストール

root で /usr/ports/japanese/scim-anthy に移動し、

make install clean

を実行。後は待っているだけで、インストールが完了する。今までは管理者権限でいろいろなプログラムを起動させていたが、anthy起動は管理者ではなく、ウィンドウ起動時にユーザーが行うため、システムファイルを修正する必要は無い。
正確に記述すると、X11起動時のカスタマイズは、全ユーザー共通の設定ファイルを使う事も出来るが、個人個人が好みで行うことも出来るということ。個人HOMEディレクトリの .xinitrcをカスタマイズすれば個人好みのカスタマイズが出来る。

今回のテスト環境では、.xinitrc で mwm を起動する前に、anthy 起動コマンドを書き込んで、ウィンドウが起動する時に一緒に起動させることにした。

scim -d
exec mwm

この他、環境変数に日本語環境のためのパラメータを設定するため、.cshrc に

setenv XMODIFIERS @im=SCIM
setenv LANG ja_JP.UTF-8

と記述した。

Chrome インストール

前のログで、WebブラウザーとしてFirefoxをインストールしたが、見た目がイマイチだったため、Google Chrome の元となっている、Chromiumを入れて見ることにした。

他のパッケージ同様Chromium をインストールするためのコマンドはとても簡単だが、今回はつまらないポイントで苦戦した。原因はビルド用のディスクスペースが3〜4GB 必要だったという話。/usr は 10GBの容量があり残り、ビルド前の残り容量が2GB以上と十分だと思っていたのだが、、、、、
Chromiumのビルドが進むにつれて、残り容量がどんどん減って行き、disk full が発生! /usr/ports/distfiles を消したり、不要なパッケージを削ったがそれでも容量不足で、とうとう /usr/src を消す羽目に陥った。それでなんとか Chromium をインストールが完了。ビルドに要した時間はAtom D510 で6時間くらいでした。Chromium の起動コマンドは、「chrome」となります。

以下の図は、Chrome 上で検索フィールドに日本語キーワードを入力するところ。右下に anthy のツールが表示されています。

注)クライアントは Atom D2700 ボードで動かしているため、VESAドライバーを使用。従って4:3画面で、アクセラレーションは無し。

再び Flash Player プラグイン インストル

前に、www/linux-f10-flashplugin11 をインストールして、Flashコンテンツを再生出来るようになっていたものの、一部のコンテンツで対応していないものがあり、再度検索してみたところ www/nspluginwrapper なるものを入れて、シンボリックリンクを行う必要があるとの情報を見つけ追加作業を行うことにしました。いつものように make install した後、

# ln -s /usr/local/lib/npapi/linux-f10-flashplugin/libflashplayer.so /usr/local/lib/browser_plugins/

を行ってリンクを張る必要があるそうだ。そして、ユーザー毎に、

% nspluginwrapper -v -a -i

を発行。
実際この作業を行うと今まで再生出来なかったFlash コンテンツを再生出来るようになりました。

タイトルの文字化けや、ウィンドウマネージャがmwmのままでいいのかなど、細かな課題はたくさん残るものの、ディスクレスクライアントでここまでできれば、最低限使えるレベルと言えるでしょう。
目的であったハードウェアコストだけで、デスクトップ作業を行えて、利用者によるシステム管理が必要ないというポイントを達成することが出来たと言えるでしょう。

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