携帯動画変換君と横長ビデオ

私はアナログチューナー搭載のHDDレコーダーを今も使用していて、壊れるまで使い続けるつもりでいます。アナログチューナーは既に役に立たなくなっているので、録画する場合は外付けチューナーとして東芝のRegza D-TR1 と接続しています。TVもブラウン管アナログテレビ。ほとんどの番組は、一度見たら消去。
これで特に不便は感じていないのですが、時々、資料として残しておきたい番組があります。たとえば、NHKのクローズアップ現代、NHKスペシャルの災害特集、ヒッグス粒子特集、放送大学の講義番組などや、これらの一部。
これらのコンテンツは、後日もう一度参照することがあると思うのでHDDレコーダーに保存したままにしています。

TV画面で見ることが殆どなので 4:3 映像で記録して、画面上下に黒い非表示エリアが残る形の映像で満足していたのですが、パソコンやiPod touch で手軽に参照したいコンテンツもあります。この場合、面倒くさいけど、HDDレコーダー→DVD-R→パソコンで読み込んで変換 を行うことになります。
4:3のTV画面と異なりiPod touchの画面は横長のため、ただでさえ小さな画面の上下に表示される非表示エリアを余計に感じます。最初から16:9のビデオファイルとして変換できないものか?

ハードディスクレコーダーに 16:9 で録画してあれば、DVDにコピーした映像も 16:9 になるはず と勝手に思い込んでいました。16:9で録画した映像をDVD経由でPCに取り込み、確認のためそのまま再生してみたところ、4:3 の縦長映像として表示されてしまいます。ビデオデッキの説明書を読んでみると、ライン入力から録画した映像はアスペクト比を示す信号が消えてしまうため、16:9の映像であったとしても 4:3 として記録されてしまうらしいことが判明しました。デッキのチューナーで直接録画すればいいのですが、アナログチューナーで受信できる番組はもうありません。
D-TR1で16:9信号で入力しているのに 4:3 というマークが付いてしまったMPEG2 映像を、携帯動画変換君でVGAサイズに変換する場合、VGA向けのプロファイルを使うとアスペクト比は 4:3 に固定されてしまい、640×480ドットの縦長映像になってしまいます。ビデオプレーヤー側でアスペクト比を調整できればいいのですが、QuickTime Player にはアスペクト比変更機能がなく、TV画面で見る場合の印象と異なって見えます。それでも iPod Touch に読み込んで、表示してみると、デフォルトでは縦長表示になるものの、画面拡大するとフルサイズに引き延ばされるようで横長映像にはなるようです。

これはイマイチ映像。

資料と考えれば、これでもいいのですが、映像として見たいため、再生デバイスごとに映像のアスペクト比が異なるというのも気分が悪いものです。パソコン上でもiPod上でも元映像と同じ縦横比で画像を見たいと感じていました。

こういう背景で、動画変換に使用している携帯動画変換君(3GP_Converter.exe) の transcoding.ini を修正することにチャレンジしてみました。

  1. default_settingのtranscoding_PC_H264.ini に手をつける。
    640×480 画質のセクションをコピーして オプションを書き換える。
  2. -s オプションで横長画面サイズを指定する。
    -s  704×396 に決定。
    -s 768×432 という画面サイズも試しましたが、私の環境用では画素数が多過ぎるようで動きがカクカクするシーンが発生します。640×480 に近い画素数ということで 704×396を選択しました。704×400 の方が良かったかな~?(将来課題)
  3. -fixaspect が指定してある場合は、これを削除。
  4.  -aspect 16:9 を追加。
    これで、4:3映像も強制的に横長画面になります。

結果的に、

Command0=""<%AppPath%>\cores\ffmpeg" -y -maxfr 30 -i "<%InputFile%>" -title "<%Title%>" -timestamp "<%TimeStamp%>" -bitexact -vcodec h264 -coder 1 -bufsize 128 -g 250 -s 704x396 -aspect 16:9 -b 1500 -acodec aac -ac 2 -ar 48000 -ab 64 -f mp4 "<%OutputFile%>.mp4""

というコマンドをtranscoding.ini の最後に新規セクションとして追加しました。
このメニューを選択して、4:3 映像を 16:9 に引き延ばしたMPEG4変換できます。

このコマンドにたどり着くために、パラメータを変換しては変換、画像をチェックしてパラメータを変更して再度挑戦、、、、、ということで試行錯誤すること半日。 普段はPCの速度にはあまり興味ありませんが、こんな時だけは速いCPUが欲しくなりますね。残念なことに携帯動画変換君は何個CPUコアがあろうと1個しか使ってくれないので、コア数が多くても役に立ちません。手間ですが、明るいシーンや暗いシーンを含む5分程度の短いテスト映像を準備するのが試行錯誤の段階では有効です。

そして、一時間番組を変換してみたところ、見事に16:9 の映像になりました。

余談ですが、Macの Any Video Converter というのも試してみました。このアプリは、全部のCPUコアを使って変換してくれるようなので、変換は速い速い。映像に記録されているアスペクト比を無視することも可能なので、このソフトを使用して変換すればWindowsを使うよりも簡単そうで何時間か試してみました。16:10 比の映像には変換できるものの 720×400 くらいの適当な16:9変換サイズがメニューに準備されていませんでした。
無料じゃなく有料のProバージョンを購入すればいいのかと思いましたが、こういう力仕事的な作業はMacよりもWindowsにさせたいところです。今回はAny Video Converter は使わないことに決定。しかし、急ぎの映像変換にはAny Video Converter が十分使えそうとわかりました。

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